滞在制作を終えて

数日前に自宅に戻ってきた。

久しぶりの我が家なので感慨深いのかなと思っていたが、

なんだか知らない人の家みたいだ。

毎日居たときは気がつかなかったことがわかる。

その客観性を活用して、とりあえず大掃除をした。

今の自分には必要ないものがたくさんあった。

 

札幌での滞在制作はわたしにとって大きいことで、

頭の中が三回転半くらいした感じがする。

いろんなことを感じたし、考えた。

新たな問題点も出てきたけれど、風通しはよくなった気がする。

 

うれしい出会いもたくさんあった。

 

雪に埋もれた天神山も見てみたいので

冬にまた出かけてみようと思う。

AIR day14

最終日は朝に出発するので今日が実質最終日。

晴れてほしかったけど連日の雨。

このところお日さまを見てない。

 

午前中はフルパワーで荷造りと大掃除をして、

午後は舞台を観に出かけた。

先日稽古を見学させてもらった イレブンナインの

「12人の怒れる男」

台詞も動きも稽古のときとはかなりちがって、興味深く観た。

やり取りを重ねて練られた落としどころを知れてよかった。

 

とはいえ 大人の男12人が2時間、ずっと怒鳴りあっているので

けっこう消耗し、最後はあたまがくらくらになってしまった。

あんなに大声出している人を見るなんてこと今までなかったかもしれない。

劇ではあるけど、やはり自分は感情的にわめきたてる人に対して

恐怖心が強いみたいだ。

これを一日二公演・・  俳優さんてすごい。

 

観劇後は円山公園へ。

気になるお店があったので足をのばしてみた。

マニアックな品揃えのお店で、個人的に心ときめくものが

いっぱい。北欧の木のフォークを買った。

すごくおしゃれな空間なのにレジのおねえさんがTBSラジオ

(北海道だとHBC?)を聞きながら編み物していてよかった。

 

2週間の滞在ですっかり慣れた道を歩きながら

北関東に帰りたいような帰りたくないような気分に。

レジデンスに戻って、残った食材で晩ご飯。

北海道に来てはじめて見た えぞゆきのした というキノコが

マイブームで、それを今夜もおみそしるにした。

となりの卓では香港の若いアーティストがしゃぶしゃぶをしていたのだが

生のとうもろこしやチンゲンサイやかぼちゃや海老などを入れていて

おもしろかった。

その横ではニュージーランドのファミリーが英語で九九を言いながら

卓球のラリーをしている。

さらにその横では近所の高校生カップルがくっついて座っている。

 

いろんな人が入り交じっていて楽しいレジデンスだった。

また来ようと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AIR day12

13時から滞在者のPaul Hazelさんのトーク。

天神山の一階ギャラリーにて。

インターネット上のフリー素材をランダムに構成して

それを自作の音楽と組み合わせて映像作品を作っているとのこと。

Paulさんはクールでシャイで口数が少ないので、

奥さんのHeatherさんがそれを補って説明を加えていて

すてきなコンビネーション。

おやつパンを食べながらの和やかな会だった。

 

夕方から映画館へ。

娘のリクエストで「インクレディブルファミリー」

よく知らない地の映画館に行くのはわくわくする。

夏休みだったので満員だった。

映画は、展開に関しては始めの方でなんとなくわかってしまったけれど

ひとつひとつの描き込みや音楽がすばらしかった。

スーパーヒーローに依存しつつも彼らに偏見をもっている社会。

ダイバーシティと 女性・男性の社会的な立場、

そしてそれらの共生についての映画だったように思う。

 

 

AIR day 11

今日もしとしと雨。

日中は引きこもって制作して、夕方から紅櫻公園へ。

BENIZAKURA PARK ART Annual2018

https://www.benizakura.jp/baa2018/

スタジオのみなさんといっしょに行った。

暗くなるぎりぎりの時間だったので大急ぎで回る。

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色とりどりの球が池に浮かぶこの作品

森の中で光っていてとてもきれいだった。

 

 

 

 

 

AIR day10

昨晩から雨がふったりやんだりで蒸し暑い。

スタジオの建物に大きいスズメバチの巣が発見されたので

ハチ退治のおじさんが来た。

薬を吹きかけ、ものともしないで巣をもぎとる。

スタジオのみんなと息をひそめて見守っていた。

 

取ったハチの巣を見せてくれた。

ものすごく精巧な六角形。

組み込まれた遺伝子ってすごいな。

 

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きれい。

 

 

 

 

 

 

 

AIR day8

富良野2日目はモーターパラグライダーを予定していたけれど

かなり風が強くて断念。

 

札幌へ戻る途中に滝をみつけた。

白い岩と緑青色の水でギリシアの水浴び場みたいな雰囲気。

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スタジオへ戻ったら滞在アーティストの展示がはじまっていた。

イギリス人のヘザーさんとポーさん夫妻

出会った人のポケットの中身を記録するという公開制作。

たまたま制作用のはさみがポケットに入っていたので描いてもらった。

シルエットに水を塗ってインクをにじませる。

楽しいし美しい。

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夜は滞在している人たちの夕食会。

スタッフの小林さん特製天神山ゴールデンカレー、そうめん、お寿司など

たくさん食べてたくさん笑った。

もっと英語話せるようになりたい。

 

 

 

 

AIR day7

北海道へ来て一週間。

今日は少し足を伸ばして富良野へ。

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空が広い。

 

AIR day4

スタジオに滞在している役者さんの舞台稽古見学へ。

線路沿いにある味わい深い稽古場だった。

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「12人の怒れる男」 ELEVEN NINES

アメリカの古典「 12人の怒れる男」のオリジナル演出

 

演者同士の微細な心身のコミュニケーションとロジカルな演出が

対照的でじっと見入ってしまった。

演じるっていうのはコミュニケーションなんだ。 

そう思ったら演劇が急に身近なものになった気がする。

完成型が知りたくて本番のチケットを予約したので

滞在中の楽しみがまた一つ増えた。

 

 

 

 

AIR day3

天神山の朝は気持ちがいい。

目が覚めるとベッドからは窓いっぱいの木々が見える。

今朝は白い月も見えた。

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ラウンジで朝食。昨日買ったスコーンとコーヒー。

共有キッチンで出会った和服青年のインフォメーションで

このスタジオでの日常生活がなんとなくわかってきた。

今夜から自炊してみようかな。

 

今日は朝から中央図書館へ。

3kmの道のりをしりとりしながらてくてく歩く。

大きくて居心地のよい図書館だった。

天神山に滞在している と伝えると本が借りられるということだったので

受付にそう伝えると、思いがけず返事はNOだった。

しばしのやりとりのあともやはり駄目。

市と相談して後日連絡をくれるということになった。

怪しむようにこちらを見る目がなんだか怖くてたじろいでしまう。

 高橋源一郎「101年目の孤独」 

 鷲田清一「じぶん・この不思議な存在」

2,3日で読み終えてまたすぐ返しに来るのにな、と思いながらも

仕方ないのであきらめて市電に乗る。

豊かな乗りものだった。

わたしの住む町にも是非ほしい。

 

スタジオへ戻って制作。

頭と手を動かす。

 

 

 

 

 

 

 

 

AIR day2

午前中に生活用品と画材が届く予定だったので

到着を待ちつつデスクワーク。

でも待てども待てども来ない。

webの追尾も詳細不明、電話も混み合っていてつながらず。

なんとか業者さんと連絡が取れたのが午後2時。

3個口の一つが行方不明で保留扱いになってしまっていたらしい。

日中に予定してたことがなんにもできなかった。

えーん

3時半頃にようやく2つ到着。とりあえず一安心。

 

夕方 地下鉄に乗って大通に出てみた。

セントラルという文房具屋さんが楽しくて画材を買いこむ。

制作の必需品であるスタビロのカーブオテロというパステル色鉛筆がバラ売りしていて

興奮してしまった。ケース入りだってあまり売ってないのに。うれしい。

夜さっそくここでの制作はじめる。

ドローイングを何枚か。今日買った色だけを使って描いた。

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ももさんはいつもに増して聞き分けがよく優しい気がする。

無理していないと良いのだけど。