仮面をかぶれない

作家活動をはじめて約10年。

最近自分の身辺をあらためて見渡してみたら、アートにまつわるものばかりに

なっていることに気がついた。

目的を持って出かけていく場所もほとんどそう。

展覧会、イベント、ワークショップetc

顔を合わせる人も然り。

アート界隈はいろんな人がいる。ちょっと変わった人も多い。

その多様性がなんだかほっとする。

人としての規範を大きく外れないかぎり、ここではオールOK。

10年のうちに自分の中にこれが常態化しすぎてしまって、

たまに常識的な社会人としてのふるまいが必要な場面になると、

どうしたらいいかわからなくなってしまった。

ここはこのくらいのフランクさでいいんだっけ?

ここで本音を言ってしまっていいんだっけ?

と必要以上に考えてしまい、ものすごく緊張してヘトヘトになる。

特に母親としてふるまうときが顕著だ。

授業参観後の懇談会とか親子行事とか。

そつなくふるまえないことついて悩んでいるところに、

このあいだアーティストの友人にこんなことを言われた。

「牛嶋さんの絵はさ、もろに自分だよね。」 と。

あっ 絵もそうだったんだ・・

言われてみれば超納得。 

そうしたら俄然力がわいてきた。

もうこれ悩んでもどうしようもないじゃん、と。

フィットする顔が一枚しかないと何かと不便だ。

でも良い、これで。

対人関係はいつも通りオロオロしつつ、

自分まんまの絵を描いていけばいいや、

と開き直りに近い悟りを得た今日この頃である。