夏の滞在制作 (1)

ずいぶんと時間があいてしまった。

その間いろんなことがあった。世の中もわたし自身も。

そのあたりについてはまた記していこうと思う。

最近の話をします。

今年の夏は、前橋市内のこども園で滞在制作をしていた。

3月の個展が終わってから、ぬけがらのようになっていた時期を経て

ふと「大きい絵を描こう」と思った。

そして、それならばと今までの制作のスタイルも変えてみることにした。

今まで、先の個展にむけて内容をどうデザインしていたかというと

小作品を作りながらヒントとなるピースを拾いあつめ、それを足がかりにして

メインのビジュアルを作っていた。意図せず成り行きとして。

でも逆に、先に大きな舞台装置を作ってしまって、そこから物語を紡いでみるのはどうだろう。

作る順序を入れ替えてみよう。

舞台装置は空虚でよい、ここからはじまるから。でも物理的な大きさは必要だ。

そんなことで急きょ200号の作品を作ることになった。

となると、アトリエの問題が出てくる。自分の六畳の作業部屋ではむずかしい。

どこか外で制作したいなぁと思っていたところ、ありがたいことにこのような機会をいただけた。

ほんと幸運。今後の運を使い果たしていないか心配になる。

そんな制作環境を今回提供してくださったのは認定こども園 相愛館という園です。

自宅からも遠くない。しかも夜でも休日でも好きに制作していいよと鍵を貸していただいた。

それに加えて 壁が白い、天井が高い、空調完璧、水場とトイレがすぐ近くというありがたすぎる好環境。

徳を積まねば。

園の多目的ホールの壁、共用スペースの一角が制作スペースとなった。

わたしには公開制作の経験がない。

怠惰な姿をさらさないか、絵の具や粉塵その他さまざまな事でみなさんに迷惑かけないだろうかと

不安を残しながらも、園に通う日々がはじまった。