デジャブ

最近病院に行くことが多い。

先日、夫が盲腸の手術をした。

その翌日に実家の母が膝の手術をした。

わたしはその両方に家族として付き添ったわけだけど、

ちがう土地のちがう病院であるにもかかわらず、

どこをとってもまったく同じだった。

不思議なくつしたと手術着で不安そうに歩いていく姿、

エレベーターの前でがんばってね とバイバイ、

術中に食べる味のしない昼食、

暇つぶしのPC、(なぜか仕事はかどる)

窓から差し込む陽光、

終わりました と呼ばれて奇妙な個室で受ける執刀医からの説明、

ストレッチャーで部屋に運ばれてくる朦朧とした意識の人、

みどり色の酸素マスク、

麻酔の抜けない話し方、

てきぱきした看護師さん、

痛み止めの問答、

そんな細かいことのひとつひとつが同じで、夢をみているみたいだった。